「学生エディターチーム」と「学び続ける場」が新たな社会価値の創出を目指す
近畿大学アカデミックシアターは、近畿大学の学生が主体となり、教職員、企業、地域住民の方々と共に新たな社会価値を生む実学プロジェクト「ACT EX(アクトイーエックス)」を推進しています。ACT EXのプロジェクトは1年ごとに学内公募されます。年間のプロジェクト数はおよそ30、イベント数は150回以上にものぼります。編集工学研究所は2019年度より、「0-10 EDIT BASE(ゼロテン エディットベース)」というプロジェクトで学生エディターチーム「0-10 Studio」の活動支援と、全学生向けの編集を学ぶ講座「0-10 Academia」の企画、運営を行っています。
プロジェクトの背景
近畿大学さまは、ACT EXを通じて行われるさまざまなプロジェクトやイベントの学内外への周知に課題感をお持ちでした。そこで編集工学研究所は、ACT EXの活動を取材して記事化する学生エディターチーム「0-10 Studio」の結成を提案、学生の自律的な活動がACT EXのプロモーションにつながる仕組みを構築しました。同時に、「0-10 Studio」を含む全学生に対し、ライティングスキルやプランニングスキルのベースとなる編集思考の型が学べる講座「0-10Academia」も展開。学生の自律的な活動を支援するお手伝いもさせていただいています。
実施内容
「0-10 EDIT BASE」プロジェクト
学生エディターチーム「0-10 Studio」の活動支援、全学生向け編集講座「0-10 Academia」の実施。「編集工学」の考え方と方法論を活用。
「0-10 Studio」 ── 2019年4月〜現在
「0-10 Studio」の活動の軸は2つ。
1つ目は、ACT EX Webサイト内の「STORIES」への記事投稿です。学生が主体となって、ACT EXのプロジェクトやイベントを取材、記事化しています。
2つ目は、ビブリオシアターの本を活用したイベントや、他プロジェクトとの連動イベントの企画、実施です。
イベントの企画、制作、運営のディレクションを通じて学生には、企画アイデアの発想方法やプロジェクトを推進するための具体的なプロセスを伝えています。また、わたしたちから学生のみなさんに継承したさまざまな方法論がスムーズに学内に浸透するよう、チーム作りの支援も同時に行っています。
「0-10 Academia」 ── 2018年10月〜現在
「0-10 Academia」では「オンライン型」と「リアル型」の2つの講座を展開しています。
「オンライン編集力講座」としては、イシス編集学校の2コースを提供しています。「38の思考の型」(17週間の基本コース[守]の受講)と「4つの実践編集の型」(17週間の応用コース[破]の受講)を学ぶことで情報を収集し、関係づけ、構造化し、表現するための方法を身につけることができます。2020年度からは、前期の[守]は20名、後期の[破]は5名の学生を選考し、年間コースとして展開しています。これまでに、のべ150名以上の学生が学んできました。
「リアル編集力講座」としては「産学連携型」と「ものづくり型」の2つの方針で講座を企画し、実施しています。企業のお題に対し、編集の型を活用して、アイデアを提案するのが「産学連携型」、日本の工芸から電子機器までさまざまな製造現場の編集プロセスを実体験できるのが「ものづくり型」です。新型コロナウイルスの流行を考慮し、2020年度はWeb会議システムを利用した講座を展開しています。
アウトプットと成果
プロジェクトチーム
ディレクター:橋本英人
エディター:衣笠純子
協力:イシス編集学校