Season2「メディアと市場のAIDA」スタート。

お知らせ

Hyper-Editing Platform [AIDA] Season2 が2021年10月16日(土)に開講しました。

Hyper-Editing Platform[AIDA]は、分野を超えて新たな社会像を構想する「超編集プラットフォーム」です。Season2 は「メディアと市場のAIDA」をテーマに掲げ、多彩なボードメンバーとゲストをお招きし、企業や地域のリーダーとともに思索と対話を進めていきます。

◉Hyper-Editing Platform[AIDA]のプログラム

毎シーズン10月に開講し、3月まで半年をかけて全6回のリアルセッションが実施されます。
第1講と第6講は、松岡正剛座長をはじめ、ボードメンバー全員が一堂に会し、テーマである「メディアと市場のAIDA」について、多様な角度から交わし合います。
第2講〜第5講の4回はそれぞれ各分野のゲストを招き、ゲストを中心にディスカッションを行います。

本楼に集結したAIDA Season2 ボードメンバーと座衆の面々。

シーズンの幕開けとなる第1講では、まず松岡正剛座長が導入講義を行い、続く「AIDAボード見方セッション」ではボードメンバーの面々や座衆たちが、メディアと市場について盛大に交わし合いました。

第1講 松岡座長導入講義ダイジェスト

はじめに松岡正剛座長から、「メディアと市場のAIDA」というテーマの意図と、見方の手すりが手渡されました。

松岡:Hyper-Editing Platform [AIDA] Season1では、宇宙の始まりから、生命誕生、ヒトの登場と文明の形成という一連を「情報」という観点から考えることで「生命と文明のAIDA」を捉えました。Season2では、ヒトが形成してきた文明において常に重要な働きをしてきた情報介在者としての「メディア」と、計算や会計のメディアとして生まれ、いつの間にか文明全体を飲み込むまでに成長し肥大化した「市場」を取り上げ、この二つの間を考察することで現代社会が抱える歪みや亀裂に果敢に挑みます。

シーズンを通しての課題図書は『情報の歴史21』と『資本主義問題』(千夜千冊エディション)

松岡:「メディアと市場のAIDA」を考える際に、手すりとなるものが五つあります。

一つ目は、トークンです。何かと何かを比べて差し引きや収支に言及できるものがトークンです。今は貨幣経済や為替というものが大きくありますが、仮にこれが変わっていくとすれば、何がトークンになり得るのか。これは人間の心の中の読点を形成するものでもあります。

二つ目は、システムです。Hyper-Editing Platform [AIDA]では資本主義や市場社会について考えていきますが、トークンや貨幣や通貨や収支を使って情報をメディエーションするための入れ物は、本当に今あるものが全てなのか。他の選択肢は、ないのか。そのことを考えていきます。

三つ目は電子、デジタル・コミュニケーションです。これまで生命と文明の間を繋ぎ、人間の文化を支えてきたような物事が、電子化によって変わったのかどうか。デジタル化が、生命や神々やそういうものを引き受ける気があるのか、どうか。今のところはその気はなさそうに見えますが、では今後どうなっていくかということを考える必要があります。

四つ目は、民族などの小さな経済です。シェアリングエコノミーやギグエコノミーといったものが、一体どうなっていくかです。マイクロクレジットなども含めて、小さなところから発芽しているものをどう考えるかということが鍵になります。

最後に、資源としての想像力です。私たちはこれまでリソースという概念を、レアメタルとか小麦とか材木といったものに限定しすぎてきました。けれどよく考えてみると、私たちの頭の中にあるイマジネーションというものも、資源なのではないか。財源とは言わないけれど、資源なのではないか。小さな経済と、その奥にあるイマジネーションを資源とするような日が来るかどうか、そのことを考える必要があります。今はむしろ、足枷が出来上がったような状況なので、今足元にある資本主義社会に、想像力を差し込んでいくことができるのかどうかを、ぜひ考えてみていただきたいなと思います。

 

AIDAボード「見方セッション」ダイジェスト

次にボードメンバーの7名がそれぞれの専門分野から「メディアと市場のAIDA」を考えるにあたってのヒントとなる「見方」を語りました。

 

 [AIDA] Season2 開催概要

テーマ「メディアと市場のAIDA」

新型コロナウィルスのパンデミックが1年半以上続く状況下で、メディアの報道や市場の動きに一喜一憂し、社会はその対応に追われてきました。あらためて今、「メディア」の将来を見据え、「市場」の本来を考えることが求められているのではないでしょうか。
メディアのアクセス数や認知度が、市場における価値や需要と限りなく近づいている現代で、私たちはどのようにメディアと接し、どのようなメディアを創り出していくべきでしょうか。いかにして市場における人間の生き生きした活動を取り戻していけるのでしょうか。企業や組織は、これからの社会に寄与するために、組織の本来と将来をどのように考え、どのようなメディアと市場を構想すればいいのでしょうか。
全6講を通して、民俗学、メディアアート、社会システム論、グローバル市場の動向等といった観点を通過しながら、「メディアと市場」の本来と将来と問い、新たな社会像を仮説していきます。

開催日程

第1講 2021年10月16日(土)
第2講 2021年11月13日(土)
第3講 2021年12月11日(土)、12日(日)
第4講 2022年1月15日(土)
第5講 2022年2月12日(土)
第6講 2022年3月5日(土)

[AIDA]ボードメンバー

座長 松岡正剛

ボードメンバー[敬称略・五十音順]

大澤 真幸 [社会学者]
佐倉 統[科学技術社会論研究者]
佐藤 優 [作家・元外務省主任分析官]
武邑 光裕 [メディア美学者]
田中 優子 [ 江戸文化研究者]
村井 純 [情報工学者]
山本 貴光 [ 文筆家・ゲーム作家]

事務局連絡先

編集工学研究所 Hyper-Editing Platform[AIDA]事務局
TEL 03-5301-2213
FAX 03-5301-2215
Email
 aida@eel.co.jp

 

TOPに戻る